CATEGORY
◆ 1. アデニアとは?(基本情報)
アデニアは トケイソウ科(Passifloraceae) に属する塊根植物(コーデックス)の一群。
アフリカからマダガスカルを中心に 約100種以上 が分布し、多くが毒を持つ有毒植物です。
独特の姿と成長性から、パキプスやグラウカなどの人気種を多く含み、
近年のコーデックスブームの中心的存在になっています。
◆ 2. 特徴(形態・生態)
① 塊根〜太い幹(コーデックス)を形成
多くのアデニアは、水と栄養を貯めるために
-
地上に露出した巨大な塊根
-
地中に埋まるタイプの塊根
を持ちます。
代表例:
-
Adenia pachypus(パキプス)
-
Adenia glauca(グラウカ)
-
Adenia spinosa(スピノーサ)
② つる性の枝を毎年伸ばす
塊根の本体から つる状の枝をどんどん伸ばす のが大きな特徴。
-
夏:旺盛に伸びる
-
冬:落葉し、つるは枯れ込む(多くの種)
塊根とつるのコントラストが魅力。
③ 強い毒性を持つ(重要ポイント)
植物体全体に シアン化物・アルカロイド を含む強毒性。
栽培中に大きな問題はないが、
-
剪定時の汁が皮膚に触れないよう注意
-
ペット・子供が触れないように
アフリカでは矢毒として使われた種もあるほど。
④ 乾燥地に適応した植物
アデニアの多くは、
-
ナミビア
-
ボツワナ
-
南アフリカ
-
タンザニア
-
マダガスカル
などの 岩場・半砂漠 に生育。
乾燥と強光に強く、過湿に非常に弱い。
⑤ 成長速度は“遅め〜中程度”
-
パキプス → 極めて成長が遅い
-
グラウカ → やや早い
-
スピノーサ・ステイロサ → 中程度
◆ 3. 由来(名前の語源)
Adenia(アデニア) の語源はギリシア語の "aden"(腺・gland)。
これは花や子房部分に「腺体(蜜腺・腺点)」が多いことから名付けられたとされています。
また、トケイソウに近縁であることから、花にはトケイソウ科の特徴が見られる種もあります。
◆ 4. 主な栽培方法(日本の気候を想定)
アデニア栽培のコツは
「強光 × 乾燥気味 × 雨に当てない」
これだけでほぼ成功します。
但しベアルート株(発根管理中)やグロボーサ系の塊根系は遮光が必要です
▼ ① 日当たり
-
直射日光〜強光推奨
-
春〜秋は屋外の遮光なしが理想
-
真夏だけ30〜40%の軽い遮光でもOK
光不足だとつるが徒長し、塊根が太らない。
▼ ② 温度
-
生育適温:20〜35℃
-
休眠温度:10℃以下で落葉・休眠
-
耐寒性:弱い(5℃以下は危険)
冬は室内の暖かい場所で管理。
▼ ③ 水やり
● 成長期(春〜秋)
-
完全に乾いてから2〜3日あけてたっぷり
-
塊根がしぼむ前に水を与える
-
つるが長くなるほど吸水量が増える
● 休眠期(冬)
-
断水〜月1回の微量の水
-
塊根がしわしわでも水を与えすぎない
-
冬の過湿は腐敗の原因になる
▼ ④ 土
超水はけ重視!
アデニアは根腐れが最も多いトラブル。
おすすめ配合:
-
軽石:6
-
赤玉:3
-
腐葉土またはピート:1(少なめ)
有機分が多いと腐りやすいので注意。
▼ ⑤ 肥料
-
成長期に薄めの液肥を月1回
-
多肥にすると塊根がやわらかくなる(徒長気味になる)
▼ ⑥ 植え替え
-
最適時期:5〜7月(暖かい時期)
-
1〜2年に一度
-
太い根を切りすぎないように注意
-
15,000円(税込み)